故人のお骨に、特別な思いを持たれることはごく自然なことです。「一番目に付く所において偲びたい」、そのような思いでお仏壇の中や前面などに置かれたいのだろうと考えられます。どうしても、という場合には止めることは出来ませんが、その際にもよくよくお考え頂きたいのです。
お仏壇は、一番中央、最上段に在す阿弥陀如来様を中心にして極楽浄土をあらわしている、という場所です。故人を極楽浄土に連れて行った下さったのは、どなたでしょうか。他ならぬ阿弥陀様です。故人はすでに極楽浄土で阿弥陀如来様のおかげで仏に成られたのです。
「極楽浄土の主たるお方にこそ礼を尽くしてくれよ、阿弥陀様にな。私の方ではないよ」と成仏された故人はお思いになられるでしょう。阿弥陀様に、最大限の敬いと感謝を形で表す、これが仏教徒の望ましい姿であると思います。